台湾人日本語学習者の前置き表現使用に関する一考察―「断り」「依頼」「誘い」「反対意見の表明」を中心に―

碩士 === 長榮大學 === 應用日語學系碩士班 === 99 ===  本研究は、日本語の前置き表現の機能を整理し、問う形式の「依頼」、「誘い」と、答える形式の「断り」、「反対意見の表明」といった、誤解や摩擦など起こりやすい場面での台湾人日本語学習者の前置き表現の使用実態を調査し、調査結果を分析に基づいて台湾人日本語学習者の前置き表現の使用実態について、幾つかのことを究明する。  「断り」、「依頼」、「誘い」の三つの場面では、日本語のレベルと関係なく、台湾人学習者が「前置き表現」をよく使用することが分かった。「反対意見の表明」の場面では、使用率は低いが、レベルが上がるとともに、使用率が高く...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: Hsueh,Mengche, 薛孟哲
Other Authors: 黃士瑩
Format: Others
Published: 2011
Online Access:http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/40474382838373276056
Description
Summary:碩士 === 長榮大學 === 應用日語學系碩士班 === 99 ===  本研究は、日本語の前置き表現の機能を整理し、問う形式の「依頼」、「誘い」と、答える形式の「断り」、「反対意見の表明」といった、誤解や摩擦など起こりやすい場面での台湾人日本語学習者の前置き表現の使用実態を調査し、調査結果を分析に基づいて台湾人日本語学習者の前置き表現の使用実態について、幾つかのことを究明する。  「断り」、「依頼」、「誘い」の三つの場面では、日本語のレベルと関係なく、台湾人学習者が「前置き表現」をよく使用することが分かった。「反対意見の表明」の場面では、使用率は低いが、レベルが上がるとともに、使用率が高くなっている。また、前置き表現を使用せず、ポライトネス理論によって、相手の「ネガティブ・フェイス」を満足させるために、学習者が別の言語表現(配慮表現の緩和機能など)を利用するという現象も見られる。  日本語母語話者の使用状態と比べ、学習者は、幾つか決まった前置き表現しか使わない。単語形式の前置き表現が多用されていること、前置き表現の用法は理解しているが、実際の場面で使えるとは限らないことなど、アンケートを分析して、これらのことがわかった。  反対意見を提出する場面では、使用する前置き表現を習得するのが難しいという問題が明らかになったが、これについて、有効な改善策を提出していきたい。