台湾人学習者による受身表現-実態調査と日本語教育への一提案-

碩士 === 長榮大學 === 日本研究所碩士班 === 93 === 外国人の日本語能力を測定する日本語能力試験では3級以上のレベルまで習得すると、普通の雑誌などが読めるようになり、簡単な文章が書けるようになるとされている。にもかかわらず、3級以上のレベルにある学生の多くが「私のケーキは弟に食べられた。」や「私の足は隣の人に踏まれた。」のように、誤った受身表現を書いている。翻訳の面から見ると、特別な違和感がないかもしれないが、自然な日本語でないのは明らかである。 また、日本語で「日本で読売新聞がよく読まれている」のような受身表現がよく使われるが、この文を中国語に訳すと、「在日本很多人都看読売...

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Bibliographic Details
Main Authors: Chen chun-mei, 陳春美
Other Authors: 謝逸朗
Format: Others
Published: 2004
Online Access:http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/60116846555901320644
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spelling ndltd-TW-093CJU000780052015-10-13T11:39:19Z http://ndltd.ncl.edu.tw/handle/60116846555901320644 台湾人学習者による受身表現-実態調査と日本語教育への一提案- 台灣學習者的受身表現-實態調查及對日本語教育的提案- Chen chun-mei 陳春美 碩士 長榮大學 日本研究所碩士班 93 外国人の日本語能力を測定する日本語能力試験では3級以上のレベルまで習得すると、普通の雑誌などが読めるようになり、簡単な文章が書けるようになるとされている。にもかかわらず、3級以上のレベルにある学生の多くが「私のケーキは弟に食べられた。」や「私の足は隣の人に踏まれた。」のように、誤った受身表現を書いている。翻訳の面から見ると、特別な違和感がないかもしれないが、自然な日本語でないのは明らかである。 また、日本語で「日本で読売新聞がよく読まれている」のような受身表現がよく使われるが、この文を中国語に訳すと、「在日本很多人都看読売新聞」のような表現になる。従って、台湾人日本語学習者には被害や受動の意味がないのに、日本語ではなぜわざわざ受身表現を使うか十分わからない場合が少なくないようだ。日本語でよく使われる受身表現は台湾人学習者にはどういう存在であろうか。 大勢の研究者が既に受身表現に関する研究を行ってきたので、その多くの研 究結果のお陰で日本語学習者には受身表現の認識は簡単明瞭になってきたが、初級の教育現場の視点から見れば、論理的なものが多すぎる反面、実用的なものがやや足りないと感じられる。 そこで、本研究は、台湾の教育機関(長栄大学三年生・二年生、南栄技院五専四年生、亜洲職業高校三年生)で日本語を専攻する学習者を対象に、日本語の受身表現の習得過程で起こる問題点をつきとめ、その問題を分析することにより、どのような道具を用いて教えた方がいいのか、どういうような教授法を取った方が良いのかなどを探るものである。なお、本研究は語学や教授法の理論研究とするよりも、筆者自らの日本語教育の立場で貯めた経験を活かし、実例を多く提示しながら、受身表現の研究を進めていく。 本論文は、日本語の初級段階における受身表現の習得過程に焦点を当て、1章「まえがき」、2章「台湾人学習者による受身表現の認識」、3章「台湾人学習者による受身表現の対訳」、4章「台湾人学習者に対する受身表現の教授」、5章「おわりに」いろいろな観点から、論じることにする。 謝逸朗 中村曉子 2004 學位論文 ; thesis 108
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