「シャリーアの目的」論の変遷 : 信教の自由をめぐって

「シャリーアの目的」論は、啓示による定めのない事柄についての行為規範を導き出すための理論として10世紀に誕生したが、今日では、時代の変化に応じて柔軟にシャリーアを解釈するための理論と目されている。イスラームの伝統的な価値観と国際人権法が衝突する問題の一つに信教の自由が挙げられるが、この問題について近代以降の「シャリーアの目的」論者たちは革新的な解釈を提唱してきた。彼らによれば、クルアーンはイスラーム国家の枠内で信教の自由を保証している。しかし、イスラーム的な信教の自由と西洋的なそれは同一ではなく、前者を後者に近づけようとすれば、啓示に反する解釈が必要になる。そのような解釈を正当化するため、「シ...

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Bibliographic Details
Main Authors: 浜本 一典, Kazunori Hamamoto
Format: Others
Language:ja
Published: 2017
Subjects:
Online Access:https://doshisha.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1396
http://id.nii.ac.jp/1707/00001388/
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